学校法人シモゾノ学園の理事長兼校長。動物が生きる喜びをかみしめることができる社会、人と動物が本当の意味で共存共栄できる社会を目指す愛犬家。
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第23回川嶋 舟氏
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第22回吉田 太郎氏
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第21回動物看護業界座談会
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第20回ペットサロン業界座談会
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第19回柴内 裕子氏
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第18回有馬 もと氏
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第17回土居 利光氏
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第16回動物看護師統一認定試験についての座談会
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第15回小倉淳氏
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第14回山田かおり氏・金井寛貴氏
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第13回平野井浩氏
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第12回災害動物救援ボランティア座談会
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第11回小森伸昭社長
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第10回増井光子先生
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第9回森裕司教授
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第8回山口千津子先生
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第7回松本壯志先生
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第6回西川文二先生
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第5回小林節先生
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第4回中嶋宏一社長
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第3回瓜生敏一社長
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第2回動物看護師の国家資格化に向けての座談会
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第1回山根義久先生
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被災地から保護犬を迎える
下薗:次は2011年に発生した東日本大震災の被災地、福島県とのかかわりをお聞かせください。当学園も震災直後に福島市飯野に設置された被災動物の保護施設を三春に移設する際に、お手伝いさせていただいたのですが、そのときに被災地から御校に引き取られたイングリッシュ・セターのウィルさんも、もしかしたらいたのかしら、と考えたりして。
吉田:震災の直後から、藤の会という保護者の会と私ども学院全体で話し合って、キリスト教の聖公会の関連ある施設に支援に入ることにしました。その中で、宮城県の南三陸町、福島県の4つの幼稚園への支援をさせていただきました。
支援のために福島の幼稚園に通いながら、動物が保護されている状況も知りました。私もあと1頭なら引き取れるよ、と話したり、大型犬で引き取り手がなかなか見つからない犬に注目しました。
東北の主教さんに、「震災を経て、東北の方はどのような支援を必要としていますか。」とお聞きしたら、震災直後だったのにも関わらず「東京にある立教女学院の皆さまには、東北のことを忘れないでほしい」と言われ、そのときはその意味がよくわからなかったのですが、時を経た今、やっとその意味が見えてきました。
下薗:そうでしたか、御校は継続的なかかわりをなさっているのですよね。
吉田:忘れないでかかわり続けるとか、福島の問題を身近に感じて本気で考えているんだよ、ということを子どもたちに示すためにも、福島で保護された犬を手元に引き取ることを決めました。
それは私どもの子どもたちの勉強になるでしょうし、それを知った福島の子どもたちにもよいでしょうし、双方によい影響が出ることを考えて、イングリッシュ・セターのウィルを迎えることにしました。
下薗:さきほど、ウィルさんにお会いできましたが、とても穏やかな犬ですね。ウィルさんも被災をし、悲しい経験をしましたが、いまはこんなにたくさんの皆さまに大切にしていただき、幸せだなと思います。
吉田:その翌年に、ブレスという犬を引き取りました。当時はエアデールのバディとその娘のリンクがいました。
下薗:犬同士のチーム作りもよかったのでしょうね。でも、犬の中でも大型犬を飼育する醍醐味は大きいですよね。
吉田:バディとリンクが亡くなった後、半年くらい、エアデールが手元にいない生活だったんですね、ペットロスになったことないのに、エアデールロスになりまして、エアデール特有のにおいや感触が恋しくなっちゃって。
下薗:それで血縁を求めたのですね。
吉田:はい。
下薗:ここからまだ繁殖はなさるのですか。
吉田:そうしたいのですが、トレーナーさんからは、ベローナがやんちゃすぎて、時期尚早と反対されています…。